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エンジニア採用の応募者情報管理|保存・削除・閲覧権限を決める

株式会社adding / 採用内製化支援チーム

エンジニア採用 / 応募者情報管理

ガイド内の位置づけ
エンジニア採用
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この記事の更新
2026年9月24日

エンジニア採用の応募者情報管理は、「不採用ならすべて削除」「将来の採用に使うからすべて保存」の二択では決められません。履歴書、面接記録、録画・録音、紹介経路を分け、それぞれの利用目的、選考終了後も残す合理的理由、別法令や契約上の条件を確認します。理由がなくなった情報は削除対象へ移し、残す情報も保存場所と閲覧者を限定するのが基本です。

個人情報保護法には、個人情報一般に共通する一律の保存期間や廃棄時期はありません。一方で、個人データを利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去するよう努めることが求められます。判断の起点は「何年残すか」よりも、「何の目的が続いているか」です。残る条件は、別の法令や紹介契約などの確認結果によって変わります。

難しいのは、選考終了がそのまま全データの利用終了を意味するとは限らない点です。採否連絡への対応、明示した利用目的、契約上の確認事項が残ることもあります。その違いを担当者の記憶に預けず、一枚の保存判定表へ落とします。

エンジニア採用の応募者情報管理はデータ別に決める

2026年9月21日時点で、個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)は、保存期間を利用目的の達成に必要な範囲で設定し、利用目的を達成して保有する合理的理由がなくなった場合などは、遅滞なく消去するよう努める考え方を示しています。別の法令に保存期間の定めがある場合は、その定めの確認も必要です。

同日の個人情報保護委員会のFAQ「取得した個人情報は、いつ廃棄しなければなりませんか。」も、一律の保存期間を定めるものではないと説明しています。全項目に同じ期限をコピーする運用では、残す理由と消す条件を説明できません。

そこで、選考終了時に次の表を候補者単位で更新します。これは上記の一般原則を基にした実務上の提案であり、原典が定める分類、保存条件、役職分担または法的義務ではありません。実際の期間は、適用される法令と契約条件を確認して個別に決めます。

情報の種類利用目的の点検選考終了後も残す合理的理由別法令・契約条件保存場所閲覧可能な役割削除条件削除確認者
履歴書・職務経歴書応募者へ示した採用選考、採否連絡、問い合わせ対応などの目的と一致するか明示した目的が継続しているか。単なる「念のため」になっていないか適用法令の定めを確認する採用管理上の所定の保存先採用担当。EM・CTOは担当する選考判断に必要な範囲明示した目的が終わり、ほかに保有する合理的理由がないCTOまたは情報管理責任者
面接記録・評価職務上の適性・能力を評価する記録に絞られているか採否連絡や問い合わせ対応など、示した目的との関係を説明できるか適用法令の定めを確認する履歴書と混在させず、対象が分かる所定の保存先採用担当と担当面接官。合否判断後の閲覧範囲も再確認する目的が終わり、合理的理由がなくなったCTOまたは情報管理責任者
面接の録画・録音文字記録では足りない目的があり、本人への説明と一致するか映像・音声そのものを残す必要を説明できるか適用法令の定めを確認する録画・録音の所在を台帳で特定できる保存先目的の遂行に必要な担当者だけ文字記録で目的を満たす、または録画・録音の目的が終わったCTOまたは情報管理責任者
紹介会社・リファラルなどの紹介経路紹介契約の確認や連絡に必要な範囲か契約上の確認事項または明示した連絡目的が残っているか紹介会社との契約条件と適用法令を確認する候補者情報と経路情報の対応を管理できる所定の保存先採用担当。契約確認が必要な責任者契約上の確認と連絡目的が終わり、合理的理由がなくなったCTOまたは情報管理責任者

この表で「保存」と判定するには、目的、条件、保存場所、閲覧者、削除条件が一続きで説明できる必要があります。どれかが空欄なら保存を既定値にせず、「要確認」へ送ります。将来の採用に転用したい場合も、当初示した利用目的の範囲に入るかを別途確認し、過去の判断だけで継続保存しません。

面接記録と録画を履歴書の付属物にしない

応募書類だけを個人情報と考えると、管理の穴ができます。2026年9月21日時点の同ガイドラインでは、個人の属性についての判断・評価を表す情報や、特定の個人を識別できる映像・音声も個人情報に含まれ得ます。応募者にひも付く面接評価、録画・録音も、履歴書と同じく管理対象になり得るということです。

面接記録は、面接官の自由なメモ欄ではありません。厚生労働省の公正な採用選考の基本は、2026年9月21日時点で、採用選考を応募者の適性・能力に基づいて行い、それらに関係のない事項を応募用紙や面接で把握しないことが重要だとしています。独自の応募用紙や面接でも、関係のない項目を含めず、質問項目と評価基準をあらかじめ決める考え方が示されています。

EMは、職務上必要な評価項目と記録範囲を決めます。保存期間は、利用目的や適用条件を確かめる別の判断です。具体的な質問と記録の揃え方は、エンジニア採用の面接評価基準|技術面接を同じ手順で実行するで先に固定できます。項目が職務適性と結び付かないなら、保存方法を考える前に収集対象から外すべきです。

録画・録音は、面接記録と同じ行へまとめません。映像・音声を残す目的、本人へ説明した内容、閲覧者、文字記録では足りない理由を個別に点検します。「面接を実施したから自動で残る」という状態は、保存の判断になっていません。

採用担当・EM・CTOの実務分担

責任者を一人だけ置いても、収集、評価、権限設定、削除のすべては追えません。次の分担は、ガイドラインが示す取扱段階ごとの規律、責任者・担当者の任務、アクセス制御を実務へ移すための提案です。原典が役職分担や法的義務を定めたものではありません。組織に応じてCTOを情報管理責任者などへ読み替えます。

  • 採用担当:応募者へ示す利用目的を管理し、履歴書と紹介経路を台帳へ登録する。選考終了時に各行を「保存継続・削除・要確認」へ振り分け、承認後の削除を実行する。
  • EM:面接前に職務適性の評価に必要な項目と記録範囲を定める。選考中に誰が面接記録を閲覧する必要があるかを確認し、不要な自由記述を増やさない。
  • CTOまたは情報管理責任者:保存先ごとの権限を設計し、通常条件から外れる保存を承認する。削除方法と対象を確認し、完了を記録する。

採用担当が削除を実行し、同じ人だけで完了扱いにしない点が要です。CTOまたは情報管理責任者が対象と完了を確認すれば、実行と確認の責任が分かれます。一方、EMに全候補者の履歴書を恒常的に見せる必要はありません。担当する選考とデータ範囲に応じて閲覧権限を絞ります。

採用管理システムを選ぶ段階なら、記録の残し方やデータ移管まで扱うエンジニア採用のATS選び|現場が残す評価とデータ移管を確認すると保存判定表を並べて確認すると、ツール導入後の責任分界を決めやすくなります。

選考終了から削除確認までの流れ

運用の起点は選考終了です。日付だけを基準にした機械的な全件削除を避け、採用担当が台帳の各行を判定します。この手順も一般原則を基にした記事上の提案であり、原典が手順や法的義務を定めたものではありません。

  1. 採用担当が、履歴書、面接記録、録画・録音、紹介経路の所在を台帳で確認する。
  2. 各行を、目的が続く「保存継続」、目的が終わった「削除」、法令・契約条件の確認が必要な「要確認」へ分ける。
  3. EMが、面接記録に職務適性の評価と関係のない情報が残っていないか、選考後も閲覧が必要な役割は誰かを確認する。
  4. CTOまたは情報管理責任者が、要確認の扱いと例外を承認し、閲覧権限を現在の担当業務に合わせる。
  5. 採用担当が削除を実行し、CTOまたは情報管理責任者が対象と完了を確認する。

個人情報保護委員会の通則編は、2026年9月21日時点で、取得・利用・保存・提供・削除・廃棄の段階ごとに取扱方法や責任者・担当者の任務を定める規律、担当者と対象データベースの範囲を限定するアクセス制御、復元不可能な方法による削除・廃棄を安全管理の例として示しています。対象に応じた削除方法を選び、完了確認までを運用に含めます。

保存年数より先に、残す理由を書ける状態へ

選考終了後の応募者情報は、全社共通の年数より先に、データごとの保存判定を整える必要があります。履歴書・面接記録・録画・紹介経路のそれぞれについて、利用目的、残す合理的理由、別法令・契約条件、保存場所、閲覧者、削除条件、確認者を埋めます。

最初に開くべき対象は、直近で選考が終了した候補者の台帳です。四種類の情報を行に分け、説明できない保存は「要確認」、目的が終わり合理的理由もない情報は「削除」へ移します。採用担当が台帳と実行、EMが評価記録の範囲、CTOまたは情報管理責任者が権限・例外・削除確認を持つ。この分担まで決めて初めて、応募者情報の管理は担当者の記憶から運用へ変わります。