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エンジニア採用課題の著作権と秘密情報|出題前に決める扱い

株式会社adding / 採用内製化支援チーム

エンジニア採用 / 採用課題

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エンジニア採用
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この記事の更新
2026年10月4日

エンジニア採用の課題で著作権と秘密情報の問題を避けるには、候補者に現職・前職の実務コード、顧客データ、非公開仕様を持ち込ませない設計を先に決める必要があります。自社側も、本番コードを安易に課題へ切り出さず、架空素材か、権利と開示範囲を確認した自社素材を使います。

もう一つ必要なのが、提出されたコードを「誰が、何のために、いつまで扱うか」の明文化です。提出しただけで著作権が会社へ移るとは扱わず、選考評価に必要な利用範囲と、閲覧者・保存先・削除条件を要項で示します。ただし、具体的な課題に混在する第三者コードをどこまで許容するかは一律に決められません。出所と利用条件を確認できるかという条件で判断します。

エンジニア採用課題の著作権を出題前に整理する

コードは評価材料であると同時に、候補者や第三者の権利が関わり得る成果物です。文化庁は、著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し、申請や登録によって発生するものではないと説明しています。コンピュータプログラムも著作物の例に挙げられていますが、個別の成果物が著作物に当たるかは別途判断が必要です。確認日は2026年9月21日で、根拠箇所は文化庁「よくあるご質問」の「著作権侵害の基本情報」内「私が創作した作品について著作権を主張できますか。」です(文化庁「よくあるご質問」)。

同資料は、懸賞応募作品について、募集要項に著作権譲渡などの取り決めが置かれる場合があるため、募集要項を確認する必要があるとも説明しています。これは採用課題の権利帰属を一律に定める記述ではありません。それでも、提出条件によって扱いが変わり得る以上、要項を曖昧にしないという判断材料になります。

課題要項には、少なくとも次の扱いを記録します。

  • 提出物の著作権が当然に会社へ移転するとは扱わない
  • 選考評価のために利用する範囲と閲覧する役割を示す
  • 選考後の保存・削除条件と、選考以外の目的で利用するかを示す
  • 個別の権利帰属や許諾の要否は、契約と具体的な素材に応じて確認する

この四項目は、出典の一般原則から導いた実務上の提案です。文化庁などの原典が、一体的な通知事項や法的義務として定めたものではありません。特に「参考になったコードを自社プロダクトへ転用する」といった選考外利用は、評価目的から分離します。転用の必要が生じた時点で、権利帰属と許諾の要否を具体的な素材・契約に照らして確認します。

課題素材・第三者コード・利用目的・提出物保管の確認表

出題可否を決める段階で、素材、第三者コード、利用目的、保管の四つを一枚の表に並べると、課題文の作成後に権利面だけを点検するより判断の過程を残しやすくなります。次の表は、公正な選考、利用目的の特定、安全管理、著作権に関する一般原則から組み立てた実務案です。公式資料所定の分類や義務を転載した表ではありません。

確認欄出題前に記録する内容通す条件差し戻す条件主担当
課題素材架空・自社・候補者持込の別、作成者、含まれる情報架空素材、または利用権限と開示範囲を確認した自社素材本番データ、顧客情報、非公開仕様を含む/候補者に現職・前職の成果物を求めるEM
第三者コード出所、利用条件、候補者が追加してよい範囲出所と利用条件を確認でき、課題での利用範囲を説明できる出所不明/利用条件を確認できない/秘密情報との切り分けができないEM
利用目的評価する能力、閲覧者、実行・レビュー・複製の範囲、選考外利用の有無職務遂行に必要な評価項目と結び付き、提出前に具体的に示せる評価目的が曖昧/別目的の転用を含む/適性・能力と無関係な情報を求める採用担当
提出物保管保存先、閲覧権限、削除条件、削除確認者、例外管理された保存先と閲覧範囲を定め、不要後の扱いまで追える個人端末や私的な共有先へ保存/期限・削除条件・責任者が不明採用担当

四欄のどれかが空いたままなら、課題を公開せず担当へ戻します。「公開リポジトリにあるから使える」「候補者本人のコードだから会社が評価後も使える」と推測せず、確認できる条件だけで通すのが要点です。表には確認者と確認日も付け、素材や要項を変更したときは該当欄を再確認します。

候補者持込を前提にしない

過去の実績を見たいという目的があっても、現職・前職で書いた実務コードそのものの提出を求める必要はありません。顧客名を消したコードも、非公開の設計、業務上の判断、第三者のコードが残る可能性を課題の採点だけで解消できないからです。候補者が自主的に持ち込もうとした場合も、秘密情報を除いて提出するよう本人だけに判断を委ねず、会社が用意した架空素材へ置き換えます。

代替には、公開を前提に作った課題用リポジトリ、架空の要件、権利と開示範囲を確かめた自社素材を使えます。第三者ライブラリやサンプルコードを含める場合、EMは名称に加えて、出所、利用条件、課題内で予定する使い方まで点検します。いずれかを確かめられない素材は外します。この選び方は、著作権と秘密情報の持込を防ぐための運用提案であり、法律が採用課題に一律の素材分類を命じているという説明ではありません。

評価目的と取得する情報を対応させる

厚生労働省は「公正な採用選考の基本」で、応募者の適性・能力に基づく基準で採用選考を行い、適性・能力に関係のない事項を把握しないことを基本としています。また、面接では職務遂行に必要な適性・能力を評価する質問項目と評価基準をあらかじめ決めるよう示しています。2026年9月21日時点の確認箇所は「(1)採用選考の基本的な考え方」と「(2)公正な採用選考を行うためには…」のア・エです(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。

課題でも、評価項目を先に置き、提出させる情報をそこから逆算します。たとえばコードレビューの観点を評価したいなら、会社が用意したコードへの指摘で判断できます。候補者の過去の顧客、所属先の内部構成、非公開障害の詳細まで集める理由にはなりません。課題設計全体の組み立てはエンジニア採用のコーディング課題を設計するポイント、採点者間の基準合わせは面接評価基準をそろえる実務も併せて確認できます。

個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、利用目的を本人が合理的に想定できる程度に具体的に特定することを示しています。本人から書面や入力画面で個人情報を直接取得する場合は、原則として取得前に利用目的を明示するものとしています。2026年9月21日時点の根拠箇所は3-1-1「利用目的の特定(法第17条第1項関係)」と3-3-4「直接書面等による取得(法第21条第2項関係)」です(個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)。

したがって「採用活動に利用します」だけで済ませず、技術選考での評価、採点者による閲覧、必要な範囲での実行やレビューなど、予定する扱いを候補者が提出前に読める状態にします。実際の記載内容は取得する情報と運用に合わせる必要があり、この書き方自体を原典所定の定型文として扱うものではありません。

提出物を受け取った後の保管と削除

提出物には、氏名などと結び付いたコード、コメント、コミット情報が含まれ得ます。保存先だけ決めても、誰でも閲覧できたり、評価終了後も複製が残ったりすれば管理条件は揃いません。受付から削除までを一つの台帳で追います。

  • 受付時:候補者、対象選考、提出物、受領日、保存先を採用担当が記録する
  • 評価時:閲覧できる役割と担当者、評価のために行う操作を記録する
  • 終了時:あらかじめ示した削除条件に達したかを確認し、削除実施者と確認日を残す
  • 例外時:継続保存や選考外利用が必要になった理由、判断者、候補者への案内要否を記録する

この台帳項目は、一般原則を日々の運用へ落とすための提案です。原典所定の帳票や一律の義務を示すものではありません。個人情報保護委員会の同通則編は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることを、努力義務として記載しています。漏えい・滅失・毀損の防止など、安全管理のため必要かつ適切な措置を講じることは義務とされています。確認箇所は3-4-1「データ内容の正確性の確保等(法第22条関係)」と3-4-2「安全管理措置(法第23条関係)」で、確認日は2026年9月21日です。

さらに同資料の10「(別添)講ずべき安全管理措置の内容」、10-2、10-3は、取得・利用・保存・提供・削除・廃棄の段階ごとの取扱方法、責任者・担当者と任務を定める規律を例示しています。組織体制、役割、取扱範囲、利用状況などの記録、部署間の役割分担も示されています。ただし、具体的手法はリスクに応じて選ぶもので、例示のすべてが一律に必要とされているわけではありません。

採用担当・EM・CTOの判断を分けて記録する

三者の役割を分ける目的は、「技術的に採点できるか」と「その素材を取得・利用してよいか」を別々に検討することです。次の分担は、出典の一般原則に沿って組み立てた実務案です。公式資料が採用担当・EM・CTOという役職名や権限を定めているわけではありません。

採用担当は、候補者向け要項、利用目的の表示、提出導線、保存台帳を管理します。提出前に読める要項と実際のフォームが一致しているか、選考終了後の処理が台帳に残っているかを確認します。

EMは、職務遂行に必要な評価項目、課題素材、第三者コードを確認します。素材を難しくするためだけに本番コードへ近づけず、同じ能力を架空素材で評価できるかを判断します。候補者が追加可能なライブラリの条件も課題文へ反映します。

CTOは、標準運用から外れる例外、選考外利用、プロダクトへの転用可否を判断します。技術的に有用という理由だけで転用を認めず、採用課題の利用目的から外れるなら止めます。必要性が残る場合も、採用選考とは別の扱いとして権利と許諾を具体的に確認します。

各欄には担当部署名、判断者、判断日を残します。「CTO承認」と記すだけでは権利処理の完了を示せません。例外欄には、通常条件へ戻せない理由、未確認の事項、追加で必要な照会を明記します。

出題を止める条件を先に共有する

公開直前には、表の四欄について差し戻し条件の有無を判定します。候補者の実務コードや秘密情報を求める、第三者コードの出所・利用条件を確認できない、評価目的と無関係な情報を取得する、保存先・閲覧者・削除条件が決まっていない。このいずれかが残れば公開を止め、課題素材か運用を直します。

著作権の扱いは要項へ、情報の利用目的は提出前の導線へ、保管と削除は台帳へ分けて残します。そのうえで同じ確認表から相互参照できるようにすれば、採用担当は候補者への説明、EMは評価に必要な素材、CTOは例外と選考外利用をそれぞれ判断できます。第三者コードを許容できるのは、出所と利用条件を確認でき、評価目的と利用範囲を説明できる場合です。その条件を満たせないなら、実務コードを持ち込ませず、架空素材へ置き換えるのが出題前の結論です。