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エンジニアのリファレンスチェックは、誰に何を確認するか

株式会社adding / 採用内製化支援チーム

エンジニア採用 / 採用選考

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エンジニア採用
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この記事の更新
2026年9月23日

エンジニア採用でリファレンスチェックを行うなら、紹介者へ連絡する前に、何を確かめ、回答を誰が読み、いつ保管を終えるかまで決めておく必要があります。候補者から紹介者の連絡先を受け取った時点では、照会できる範囲はまだ確定していません。

実務では、採用担当が同意取得と回答原文の管理を担い、EMが技術遂行・協働に関する質問を承認し、CTOは経営や全社アーキテクチャ、セキュリティなど、その役割で判断すべき論点に限って関与する形が扱いやすいでしょう。ただし、役職名だけで線を引くと、EMやCTOがどの情報まで見てよいかが曖昧になります。分担の基準は、確認目的と必要最小限の情報です。

残る条件は、候補者本人への説明と同意を、照会範囲・利用方法・閲覧者・保管終了条件に結び付けることです。質問票だけ整えても、回答の入口と出口が決まっていなければ、目的外の情報が採用判断へ混ざる余地が残ります。

エンジニア採用のリファレンスチェックで先に決めること

厚生労働省は、採用選考を応募者の適性・能力に基づいて行い、それらに関係しない事項を把握しないことが重要だと示しています。面接についても、職務遂行に必要な適性・能力を評価する観点から、質問項目と評価基準をあらかじめ定める考え方が示されています。これは2026年9月21日時点で確認した厚生労働省「公正な採用選考の基本」に基づく整理です。

リファレンスチェックの質問は、対象ポジションで判断が必要な事項へ絞ります。その前提になるのが採用要件です。役割や期待をまだ言語化できていない場合は、先にエンジニア採用の要件定義|必須条件を絞る7項目と例で要件を固めると、照会の範囲を説明しやすくなります。

照会前に決める項目は、次のようにつながっています。

  • 確認目的:採用要件のうち、選考だけでは確認しきれない職務上の論点
  • 回答の範囲:目的に必要な質問と、採用判断に使用しない情報
  • 利用方法:誰がどの判断に使い、原文と評価記録をどう分けるか
  • 閲覧者:採用担当、EM、CTOのうち、職務上必要な人
  • 保管終了条件:採否確定などを契機に保管要否を見直し、不要な回答を削除する条件

五つの項目には順序があります。目的を定めると質問と閲覧者を絞る根拠ができ、利用方法を定めると保管終了条件を置けます。「念のため残す」という判断から始めれば、必要性を説明できない情報まで抱えやすくなります。

同意・質問・保管・本人確認の役割分担表

以下は、公式資料の要請を採用実務へ落とすための推奨分担です。法令が採用担当・EM・CTOという役職別の分担を定めているという意味ではありません。会社の組織名が異なる場合は、実行、職務評価、全社的な技術判断という責任に読み替えられます。

判断項目採用担当EMCTO完了とみなす条件
確認目的の確定採用要件と利用目的を候補者向け説明へ落とす配属先で確認が必要な職務行動を示す全社的な技術責任がある場合だけ論点を示す目的と採用判断との関係を説明できる
同意取得照会先、質問範囲、利用方法、閲覧者、保管終了条件を示し、候補者本人の意思を確認する説明された範囲と実際の質問が一致するか確認する自ら関与する場合の閲覧範囲を確認する候補者が取扱方法を判断できる具体性がある
質問承認共通質問を管理し、職務に無関係な領域を除外する技術遂行と協働に関する質問、判断基準を承認する経営、全社アーキテクチャ、セキュリティ等の必要論点だけ承認する各質問を採用要件と判断基準に対応付けられる
本人・関係確認候補者本人の同意意思、紹介者の連絡先、候補者との関係を確認する回答を使う前に、紹介者の職務上の関係と回答可能範囲を確認するCTO所管の論点を使う場合に同じ確認を担う同意した候補者と、回答者の関係・回答可能範囲を区別して確認できる
回答の閲覧と評価原文を受領し、承認済みの閲覧者へ必要な範囲だけ共有する担当領域の回答を事前の基準に照らして評価するCTO所管として承認した論点だけ評価する原文に含まれる目的外情報をそのまま評価へ持ち込まない
保管と削除原文の保管責任、アクセス権、保管要否の再判定、削除を管理する評価に必要な範囲以外の原文を保持しない同左事前に定めた条件で要否を見直し、不要な回答を削除する

採用担当へ原文の保管責任を集約すると、原文の管理者と評価を担う人を分けられます。EMやCTOの閲覧範囲は職務上必要な情報に限定し、採用担当も定めた目的とアクセス権の中で扱います。

同意は連絡許可だけで終わらせない

厚生労働省の資料では、求人者や労働者の募集を行う者などが求職者等の個人情報を扱う際、収集・保管・使用の目的を合理的に想定できる程度に具体的に示し、目的達成に必要な範囲で収集し、収集目的の範囲で保管・使用するとされています。また、本人以外から収集する場合は、本人の同意の下で行うなど適法かつ公正な手段を用います。同意事項は可能な限り具体的かつ詳細に示し、自由意思に基づく明確な同意とするよう求めています。いずれも2026年9月21日時点で確認した厚生労働省「求職者等の個人情報の取扱いに関する事項」に基づきます。

同意文面には連絡の可否に加え、確認目的、収集する回答の範囲、採用判断での利用方法、閲覧する役割、保管終了条件を一体として示します。各項目を同じ細かさで長く書く必要はありません。候補者が自分の情報の扱われ方を判断できる具体性が必要です。

個人情報保護委員会の通則編では、本人の同意は、示された取扱方法で個人情報を取り扱うことへの本人の意思表示であり、当該本人であることを確認できていることが前提とされています。同意取得には、本人が判断するために必要な合理的かつ適切な方法が必要です。これも2026年9月21日時点で確認した個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」によるものです。

そこで本人確認を二つに分けます。採用担当は、同意した人が候補者本人であることに加え、紹介者の連絡先と候補者との関係を確認します。EMまたはCTOは、回答を判断に用いる前に、紹介者が候補者の仕事をどの関係から知り、どの範囲なら回答できるかを確認します。前者は同意と連絡経路の確認、後者は回答を職務評価へ使える範囲の確認です。一つの確認済み欄で代用しないことが、情報の出所と評価可能性の混同を防ぎます。

質問承認は採用要件と評価基準を対にする

EMが作る質問は、対象ポジションの職務へ結び付けます。技術遂行を確認する場合は、その職務で求める責任を質問の目的として記録し、回答のどこを判断材料にするかを先に承認します。協働について尋ねる範囲も、抽象的な人物評を避け、職務上必要な協働の観点へ限定します。

CTOの参加条件は、全社アーキテクチャやセキュリティ、経営に関わる責任を採用要件として確認する必要があることです。その範囲の質問と判断基準をCTOが承認します。配属先の技術遂行で判断できる論点はEMが担い、CTOへの原文共有から外します。

採用担当は、共通質問と除外領域を管理し、EM・CTOが承認した質問を採用要件へ対応付けます。面接とリファレンスチェックで判断基準が食い違わないよう、エンジニア採用の面接評価基準|技術面接を同じ手順で実行すると同じ評価観点へ接続すると、紹介者の印象だけで採否を動かす運用を避けやすくなります。

質問票への追加要望には、対象職務に必要な適性・能力のどれを確認し、誰が回答を必要とし、どう評価するのかを添えます。三点を説明できない質問は承認対象から外します。担当者の関心だけでは、収集の必要性を裏付けられません。

回答原文は閲覧と保管の終点まで管理する

2026年9月21日時点の厚生労働省資料と個人情報保護委員会の通則編では、権限のない者によるアクセスを防ぐ措置や、個人データの漏えい等を防ぐための必要かつ適切な安全管理措置が示されています。また、利用する必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう努めること、求職者等の個人情報は収集目的に照らして不要になった場合に破棄・削除の措置を講じることが示されています。

この要請を運用に落とすなら、採用担当が回答原文の管理者となり、EMとCTOには承認された論点に必要な範囲だけ閲覧権限を付けます。原文と採用評価を分け、評価側には職務上の判断に必要な内容だけを残す設計が適します。回答に質問範囲外の情報が含まれても、それを新しい評価材料として流用しません。

保管終了条件には、自社で定めた採否確定などの状態を置きます。その時点で採用担当が保管要否を再判定し、目的に照らして不要になった回答を削除します。例外的に保持する場合は、目的、閲覧者、終了条件を改めて説明できる状態にします。

照会を始める前の承認条件

紹介者への照会を開始できるのは、次の状態がそろったときです。

  • 採用要件に対応する確認目的と質問項目がある
  • 候補者本人へ、回答範囲、利用方法、閲覧者、保管終了条件を具体的に示して同意を得ている
  • 採用担当が候補者本人の同意意思と紹介者との関係を確認している
  • EMまたはCTOが、自ら評価する質問と判断基準だけを承認している
  • 回答原文の管理者、アクセス権、保管要否を見直す条件が決まっている

五つのうち一つでも欠ければ照会を保留し、該当する責任者が不足を埋めます。法令・指針が求めるのは、職務に関係する公正な選考、具体的な目的と同意、必要な範囲での収集・利用、安全な管理と不要情報の削除です。採用担当・EM・CTOへの割り振りは、それらを漏れなく実行するための責任設計として使います。

紹介者へ連絡する前に、候補者が同意した目的と情報の扱いを確定させます。そのうえで紹介者が職務上回答できる範囲を確かめ、採用担当が原文を管理し、EMとCTOは承認された論点だけを評価します。回答の入口は二段階の本人・関係確認で、出口は保管要否の再判定と削除で閉じます。この状態が、エンジニアのリファレンスチェックを採用判断として扱う開始条件です。